2015.9.28(月)

憲法違反の安保法制法の成立に強く抗議し速やかな廃止を求める会長声明

 本年9月19日未明,平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下,あわせて「本法」という)が参議院で可決され,成立した。
 本法は,現行憲法下において許されない集団的自衛権の行使を認めるものである。本法の成立は,憲法改正手続によらずに,その許容される限界を超えた解釈により憲法を改変するものであって,立憲主義に対する挑戦である。いうまでもなく,憲法は国家の基本法であり,国の統治は憲法に基づかなければならない。この当たり前のことが今回無視されてしまった。
 当会はこれまで,本法の問題点を指摘し,その成立に強く反対してきた。本法については,大多数の憲法学者や元長官を含む元最高裁判所裁判官,歴代の元内閣法制局長官らも,その違憲性を訴えて成立に反対してきた。また,今国会での本法の成立に反対する意見が世論調査の多数を占めていた。それにもかかわらず,これらの意見が聞き入れられることのないまま,採決が強行されてしまった。
 本法は憲法の掲げる恒久平和主義に反するものであるが,憲法違反の法律が憲法改正手続によらず数の力で成立するという立憲主義違反の行為が堂々と行われたことに,強い危機感を覚える。本法を容認することは,憲法に基づかない国の統治を一部でも認めることになるのであって,立憲主義の崩壊につながりかねない。
 当会は,本法の成立に強く抗議するとともに,その速やかな廃止を求める。

2015年(平成27年)9月28日
函館弁護士会
会長 木下 元章

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